シトリックスでは、「その時間Volunteer活動をする」ことで社会への貢献を形にするーGlobal Day Impact(GDI)を毎年活動しているが、今年のGDIはニューノーマルだ。ニューノーマルには、常に新しい適応力が必要される。シトリックス・ジャパンのHRでは、GDIをバーチャル・ボランティアとして7月28日に開催し、第一弾は、北海道のNPO法人である「陽だまりの家」様との協力で実現をした。

「陽だまりの家」は、子ども、高齢者、ひとり親家庭、ひきこもりや障がいのある方、様々な福祉的困りごとをお持ちの方などを対象にして、「居場所」の提供しており、代表の古山明美氏が、地域での助け合いを目的として、平成29日に設立したNPO法人である。行政の縦割り体制から漏れてしまう人々の受け皿になること目指している。

今回、シトリックスが参加した活動は、「きものプロジェクト陽」というものだ。日本には、8億という着物がタンスに眠っていると言われている。着物を着る機会も、大きく減っており、1年に着物を一度も着ないという人も増えている。特に着物は、代々受け継がれるものだけあって、1枚1枚ストリーがある。高齢者が施設に入った時やお亡くなりになった時などに、着る人を失った着物が多数ある。家族にとっても、捨てにくい気持ちがある。この着物を活用できないか、着物のリメイクをすることで価値を付け着物作品の売上を、中高生支援の費用に充てられないか、そんな思いから、始まった活動である。

古い着物のリメイクは、裁縫が得意な高齢者に活躍してもらい、成果物を販売店へ提供している。高齢者にとっては、おしゃべりをしながら技術を生かし、生きがいになっており、ボランティアは毎月1名ずつ増えているという。しかし、コロナ禍により、インバウンドが途絶えリメイク品の販路が限定的になってしまった。そこで、新たな価値創造として、オンラインによるマスク作り体験会を新たなボランティア活動としてスタートしたわけだ。

シトリックス・ジャパンHRとしても、新たなボランティアの形を探しており、お互いのニーズが合い、バーチャル・ボランティアという形で実現した。シトリックス・ジャパンでは、「着物マスク」、「着物うちわ」の2つのプロジェクトに参加をした。参加者には、事前にキットが届く。可愛らしいジップロックに包まれた着物の端切れの2セットが自宅に届く仕組みだ。1セットはボランティア団体へ送付し、販売用に、もう1セットは、自分用。準備するものは、ソーイングセットのみ。

初めてということもあり、若干の緊張しながら当日を迎え、Zoomでオンライン・ボランティアがスタート。画面の向こうでは、「陽だまりの家」の代表である古山 明美氏が登場。そして、着物プロジェクトのボランティアの方による説明・実演が始まった。生地を触る感覚も非常に心地良く、手縫い作業開始。要領がなかなかつかめず、また、久しぶりの手縫い作業に手間取ることもあったが、参加者全員が、画面の向こう側で、手縫いに集中。作業に集中すること1時間。だんだんマスクの形になると感動が生まれ、ゴムを通して完成した。また、素晴らしいメディテーションにもなった。

コロナ禍において、大きなが打撃を受けた「陽だまりの家」。インバウンドが途絶えたことで、販路も少なくなってしまった。福祉の仕事は、直接支援(face to face)が基本である。しかし、このコロナで、「会えない」状況をただ見てるのでは、対象者の困りごと(要介護化や孤立化)は、進行してしまう。「陽だまりの家」では、こんな状況だからこそ、子どもや高齢者の居場所を継続してきたという。でも、それでは足りないことも、古山氏はわかっていた。

ピンチをチャンスとして、オンライン・ボランティアを発案した。「何とか、『オンラインを活用した新しい福祉や地域のつながり創出』に取り組みたいと意気込みを見せる。NPO法人の新しいデジタルトランスフォーメーションが始まったばかりだ。

また、シトリックスとしても、ニューノーマルとしてのオンライン・ボランティア。新たなボランティアの形が模索中であるが、「オンラインという形でも、人と人がふれあい、教え教えられ、遜色なくバーチャルでボランティアが出来るということは新発見」という声もあり、新たな従業員エンゲージメントにもつながったと言えるだろう。そして、シトリックスにとっても新たな居場所ができたようだ。


コラム:インタビュー記事

シトリックス HRの成清さんの声:

陽だまりの家を選択した理由は何ですか。

本社が推奨するバーチャル・ボランティアの活動はいくつかあったのですが、どれも提供できるスキルを事前に提供し、ニーズがあるときにあるときに声がかかる、あるいは、単独で行うものばかり。シトリックスでは、エンゲージメントと所属意識を大切にしている。バーチャルであったとしても、一人ではなく人が集うと環境が提供できないかと探していた時に、「家でも出来る」というフレーズを謳う「陽だまりの家」に出会いました。即問い合わせをさせていただいたところ、代表の古山さんが、「マスク」と「うちわ」だったら個別の作成キットがある、それを使ってパソコンを通して先生の手許を見ながらZOOMを使ってやってみましょう!と話に乗って下さったのです。

一番のチャレンジは何でしたか?

ZOOMを使って1対複数人というのが初めての試みだったことでしょうか。しかしながらやりながら例えば白地に縫う糸は教える場合は色のある糸の方が見えやすい、とか、縫い方の説明を最初にやったらもっとわかりやすいかも、などと次回へのヒントも出て来ました。またそれぞれの経験値から作業のスピードにばらつきが出て来るので、次の工程に移るタイミングも難しい部分がありました。

参加者であるシトリックス 小柳津さんの声:

参加をして、どうでしたか?

コロナ禍でテレワーク生活が続き今までよりもコミュニケーションが取りにくい今、オンラインを通じてGDIのボランティア活動に参加できたこと嬉しく思います。陽だまりの家の活動に少しでも貢献でき、一緒に作った作品が少しでも役にたてたことで、参加してよかった。という満足感があります。自らの手でマスクという作品を制作し大変楽しかったです。蒸し暑い午後のひと時夢中になって作り、気が付いたら汗だくで裁縫をしている、、、という姿でした。もっと作りたい。。と思っています。

今回の参加で何か気づきや実現したいことはありますか。

会社で推進しているGDIはとても素晴らしい活動だと思います。こういった社会貢献活動に参加できることで自ら気持ちも前向きになれます。もっと多くのCitrix社員が同様に参加したらいいと思うので、勧誘活動も含めて良さを広げていきたいですね。今回のマスク作りも、作り方を覚えたので、今度チャレンジする方にもレクチャーし私達もサポートできると思います。

始めてのバーチャル・ボランティアということでしたが、それについてはどのように感じましたか。

オンラインという形でも、人と人がふれあい、教え教えられ、遜色なくバーチャルでボランティアが出来るということは新発見でした。家にいながらにしてボランティアに参加できるとは素晴らしいです。リアルの良さには至らなくてもバーチャルの良さってあるんだとしみじみ感じました。


  

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